日本における整体は複雑
2019/01/21
長い歴史がある分だけ複雑な整体
整体とは、日本においては手技と呼ばれる手を使って行う民間療法や代替医療のことを意味します。
その歴史は古く、言葉そのものは大正時代に使われるようになったものの、手技による民間療法は遥か昔から行われていたと考えるのが妥当でしょう。
そもそも、さまざまなことが行える現代医学における医療機器が存在しなかった時代には、手技による療法こそが医療であったと考えられるからです。
現在でこそ、進化した医療機器を用いた先進医療が行われ、医師によって施される治療を医療と呼び、そうでない整体は民間療法や代替療法という区別が可能ですが、医療機器がなかった時代には民間療法こそが医療であったといっても過言ではないでしょう。
そのため、日本で生まれたとされる説もあれば、中国から伝わってきたという説もあります。
さらには長い年月を経ていく中で、日本式と中国式の整体が融合し、また新たな整体が生まれていったことから、今では何をもってして整体と言うのかをわかりにくくしている要因と言えます。
アメリカにも手技療法はある
アメリカにも手技だけを使った民間療法があり、カイロプラクティックという呼び名はすっかりおなじみになりました。
さらにオステオパシーやスポンディロセラピーといった手技療法も存在し、これらのアメリカ発祥の手技療法を新たに加え、日本の整体として施術を行っているところも増えています。
日本古来のものもあれば、中国式を採用しているところもあり、さらには日中、あるいは日米といった具合に、時代を経てミックスされてきたことを考えると、今や日米中のミックス整体もあるかもしれず、これらの融合がますます整体を複雑にしているといえるでしょう。
日本の整体はアメリカと近い
日本における整体とは、主に脊椎を中心とした骨格の矯正を行うことを基本にしているため、どちらかというとアメリカ発のカイロプラクティックに似ています。
中国における整体とは手技療法のことではなく、体全体を見るものであり、脊椎や骨格といった体の特定部分だけでなく、体を総括して考える整体観に基づいています。
インドの医療として知られるアーユルヴェーダも、この中国の整体観に通じることから、中国における整体は医療に近いと考えるのが適切でしょう。
そのため、日本でも時折中国の整体師が整体院を開いていることがありますが、日本とアメリカ式整体とは根本的に異なるという知識が必要です。